どのようにお伝えしたらよいか････

先週金曜日、10月27日の朝9時15分
柴壱のお友だち・柴弐さんが、二度と会えないところへ旅立ってしまいました。

まずは、柴弐さんには、心からご冥福をお祈りいたします。

そして、柴弐さんにお見舞いやエールを送ってくださった、ソネブロ町内会、近隣ブログ町内会の皆様
謹んでお知らせするとともに、温かなお心遣いに、心から御礼申し上げます。

この週末、仙台で最後のお別れをしてきました。


ここから、とりとめもなく、柴弐さんとの思い出や自慢話です。
お時間の許される方、お付き合いください。

思い出してみると、柴弐と最後にゆっくり会って話しをしたのが、今年1月下旬のこと。
その時、何だか久しぶりに二人だけで話がしたいな…なんて思って
紀伊國屋ホールに芝居を観に来ているところ、終演を待ち伏せるような形で。（一応アポは取ってたけど）
こちらも、東急ハンズでお買い物＆nintendogsの中継所巡り、なんて別目的があったりして。

新宿高野のティールームで2時間近くオシャベリしていたかしら…
仙台の街が気に入ったので、永住の決心をしてマンションを買うことにした
2月3月は、仕事と引越しが重なって、忙しくなりそう、
な～んて話や、10月にナンバーポータビリティが始まったら、ケータイをauからドコモに変えたい、
なんて話も。
ドコモ同士になったら、絵文字やデコメールで遊べると思っていたのに…
あっという間に9ヶ月が過ぎて、ナンバーポータビリティは始まったけど
ケータイを変える間もなく、旅立ってしまった、ってことなのね。

5月の下旬には、「渡し物」があるから、と柴壱のアルバイト先まで来てくれました。
上がってお茶でも、と引き止めたのに、新幹線の時間が迫っているから、と風のように去っていきました。
いつも、いつも、忙しそうに風のように走り回っている、という印象です。
結局、元気な姿を見たのは、それが最後になりました。

メールやブログのコメントを貰っていたから、こんなにも長いこと会っていなかって意外な感じです。
間違いなく、8月の初めくらいまでは元気そうにしてましたよね。
ソネブロ町内会で、最後に柴弐の足跡を見たのは、8月18日にチヨロギさんのところで。
翌週上京するので東銀座のシネパトスに映画「太陽」を見に行きたい、と。
毎年、夏の終わりには東急ハンズのバーゲン「ハンズメッセ」を楽しみにしていて、
それに合わせて上京することになっているので、今度こそは、ゆっくり会って話したいと思っていたのに。
「今日からハンズメッセだね！！」
そんなメールを送った8月24日、「腹痛がひどくて昨日緊急入院。検査中」との返信。
ただの検査入院だと思っていたら、9月6日には手術、そして…
「沈黙の臓器」は静かに静かに蝕まれていたんですね。
9月28日に、本人から具体的な事を知らせるメールが届いたのでした。

10月に入ってすぐ、仙台まで顔を見に行きましたの。とんぼ返りでしたけど。
たぶん、辛かったんだとは思うけど、ベッドに腰掛けて、フツーに話ができたし、
顔色だって悪くなくて、まだまだ大丈夫そうだな、って、少しホッとして帰ったのに。

その後、個室が空いて移ったというので、土日にかけて会いに行くつもりだったのですよ。
お仲間のジップママさんと待ち合わせ場所を相談して、電話を切ってから1時間もしないうちに入った
悲しいお知らせでした。


ソネブロ町内会のsaraさんが先週「フラガールズ」を見にいらしたという映画館仙台フォーラムは
柴弐さんが仙台で最初に暮したマンションから徒歩0分圏内にあって、
いい映画を上映するというので、お気に入りの場所でした。
1月に会った時、「今年はいい映画をたくさん見たい」と言ってましたっけ。
見に行く予定だった「太陽」も、東京から2ヶ月遅れでここで上映していたとか。
元気だったら、当然見に行ってたんだろうな…「太陽」も「フラガールズ」も。
　

仙台フォーラムのビルの2階にあるイタリアンのお店プルミエも柴弐さんのご贔屓のレストラン。

　　
 お通夜の儀の後、このプルミエで、柴弐を偲びながら、思い出話に耽りました。
（写真は、告別式に行く途中、昼間撮ったもので、ミョーに明るくてスミマセン）

「○日に私がお見舞いに行った時は、こんなだったよ」
「私が行った時は、こうだった」

聞けば、誰一人として、ガン末期の苦しそうな姿は見ていないんですよ。
亡くなる前日まで、本が読みたいから、と差し入れを頼んだりしていて。
でも、実は抗ガン剤の苦しさは、聞きしに勝るものだったって、誰かに話していたとか。
最後の最後まで、「まだもう少し頑張れそう」な姿だけを見せて、
ひっそりと、旦那さまだけに看取られて旅立っていったんですね。

だからか、棺の中の顔は、観音様のよう、というかお人形のように穏やかでした。

医者からは、一から十まで、すべてを告げられていて、それを克明に自分の手でノートに記していたとか。
エディターという職業柄か、メモ魔の柴弐さんらしいよね、と。
旅立つ日までのシナリオも、まるで、自分自身で作っていたかのよう。
これは、誰さんに貰ってもらう、これは誰さんに、これは誰さんに、といったことや、
遺影の写真は、○○さんが、いつ頃撮ってくれたのが気に入っているので、連絡を取って欲しい、とか
告別式では、弔辞も弔電の紹介もなし、きわめてシンプルに、といった式次第まで。
会葬御礼は…これも事前に決めていたかどうかは、わからないけど…
仙台でも有名なホシヤマ珈琲店のコーヒー豆と喫茶券。
　　

ホシヤマ珈琲って、今時200円も出せばコーヒーが飲める時代に、1杯1000円位する喫茶店なんです。
でも、ここは、コーヒーと一緒に、ステキな時間と空間を味わうところだよね
っていうんで、柴弐さんと1～2回行ったことがありました。
二人とも、コーヒーが好きなもんだから、美味しいコーヒー屋さんを探そう、なんて言って
ヒミツの隠れ家のようなお店を見つけて行ったこともあったりしたなぁ、そういえば。
コーヒー好きな柴弐さんらしく、会葬御礼も、なんとなくお洒落でしょ。

7年ぶりに仙台時代のサークル「文の會」のお仲間との再会が、こんな悲しい場面になるなんて
夢にも思いませんでした。

告別式の後も、何となくみんなと別れがたく、また思い出話に浸ってしまいました。

「とにかく、物知りな人だったよね」
「文学のこと、美術のこと、草花の名前も、詳しかったね」

そう、私も、ワンコのことでギモンがあると
「イヌ博士さん教えて」って訊けば、いろいろ調べて教えてくれましたっけね。
で、そんな物知りな姿とは裏腹に、忘れ物、失くし物、擦り傷切り傷、迷子といったドジ話にも事欠かなくて
だから、みんなから、頼られたり慕われたりしていたんですよね。

思い出話の輪も、一人帰り、二人帰りして、暗くなるまで残った、私を含めた三人が、
偶然に同じ名前だったのです。○子で…
「ね、珍しい名前じゃないけど、三人も揃うなんてすごい偶然でしょ！？」
つい、そんな報告メールを送りたくなってしまいました。
きっと、○の字のウンチクを添えて、気の利いたコメントを返してくれたはずなのに…
それも、もう二度と叶わないことかと思うと、もう、ホントに心にポッカリと穴が空いたようです。

亡くなる2日前、サークル「仙台文の會」の年配の殿方三人組がお見舞いに行ったとかで、
翌朝、その中の一人にお礼メールが届いたそうです。
三人組の中に俳句をたしなむ方がいて、その方の句になぞらえて
　「紅葉をザクッと割って分水嶺　命分けるもすがすがし」
と歌に詠んで返してきたというのです。
息を引き取る、わずか24時間前のことですよ。

柴弐さん、旅立ちまでカッコ良すぎです。

私、何もしてあげられなかったけど、こんなにカッコイイ女性と9年間もお付き合いさせていただいて、
誇りに思っていますよ。
ありがとうね。
まだ信じられないというか、信じたくないというか、夢であって欲しいという気持ちでいっぱいだけど
紛れもない現実であるならば、どうか、安らかに…。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　合掌

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やっぱり、取りとめのない話になってしまいましたね。
最後まで読んでくださった方々、どうもありがとうございます。
どうしても、柴弐さんの自慢話、聞いて欲しかったんです。

コメント 19

言葉が見つからず、もう２０分近く手がうごきませんでした。。
柴弐さんには、お目にかかったことはないのですが、文面からお人柄が伝わってきます。こんなに潔く生きることができる、月並みだけどカッコいい。
心より、ご冥福をお祈りいたします。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　合掌
by りざっち (2006-11-01 14:56) 

柴壱さん こんにちは

悲しいお知らせ，大変残念でございます。
しっぽつきのクッション…の方ですよね？。。。
ご病気のようだとうかがってから(柴壱さんのWeblogで拝読して)ひそかによくなられることをお祈り申し上げておりました。

中学のとき，習っていた先生がやはり癌で亡くなりました。事故で友人も。
癌で亡くなった親戚も。。

病が憎いですね。本当に。

そして，生きているわたしたちは，毎日精一杯生きなければいけないと思います。

柴弐さんはとても素敵な方なのですね。。(一般的な言葉になってしまいましたが……)

謹んで柴犬弐号様のご冥福をお祈り申し上げます。

　　ゆっぴー
by Yuppy (2006-11-01 18:47) 

柴弐さんを想う柴壱さんにnice！を押しました。
ご自分の人生をきちんと生きて旅立たれた、柴弐さんにもたくさんのnice！を贈りたい気持ちです。
私にはとうてい及ばないことですが。
柴弐さんのお話、もっともっとお聞きしたかったです。
仙台は、そこに住む人も含めて、私にとって生涯、憧れの街になりそうです。

写真、間に合わなかったんですね。
それがちょっと残念です。
by 柴犬陸 (2006-11-01 19:51) 

この記事を見てとてもビックリしました。
そんな事って有るの？
ワンコカレンダー作って励まそうとしていたのに　間に合わなかったんですね
本当に悲しいです。ご冥福をお祈り申し上げます。
by (2006-11-01 20:35) 

ご冥福をこころからお祈りするnice!です。かっこいい柴弐さんと柴壱さんへの気持ちもこめて。
本当に残念です。正直言って柴壱さんの最初のお話を拝読したときからかなりお悪いんだろうと直感しました。だからわんこカレンダーが間に合うようにとひたすら祈っていたのです。きっと柴壱さんやソネブロみんなの気持ち祈りも柴弐さんに伝わっていたことでしょう。
わたくし事ですが、両親を癌で亡くしています。抗がん剤の苦しさも目の当たりにしてきました。柴弐さんのたいへんな時間を思うと本当に辛くなります。
ありふれた言い方かもしれませんが柴弐さんはかならずご主人や仲間たちを見守ってくださって、私はこっちで元気よって仰っていると思うのです。私はそう信じて生きて来ていますから。
悲しみはつきません。柴壱さん、静かに時間を。
時がすべてを。
by Cocona (2006-11-01 20:48) 

そうだったんですね。
手術をされて良くなるんだろうと思ってましたので驚きました。
柴壱さんと柴弐さん、とってもいいお友達同士だったんですね。羨ましいです。
柴わんこカレンダーの事も、ちゃんと12わんこ揃ったのかなって気になってました。
きっと柴弐さんも喜んで下さると思ってたのに、残念です。
柴弐さんのご冥福を心からお祈り申し上げます。
by みゆき (2006-11-01 21:50) 

柴壱さん、こんばんは。
柴弐さんの思い出話、自慢話、ゆっくり読ませていただきました。
とてもうらやましいご関係だなと以前から思っていましたが、ますますその想いを強くしています。
また、ネットを通じてではありますが、柴壱さんのおかげで柴弐さんとほんの少しでもお近づきになれたことを、心から感謝いたします。

こちらの記事で、なかなか熱が下がらないと伺った時から、ずっと胸騒ぎがしておりました。癌で亡くなった伯父が、やはり熱と抗がん剤に苦しんでいたのを思い出したからです。どうか奇跡をと祈っていたのですが・・・。本当に残念でなりません。

柴弐さん、どうぞ安らかにお眠りください。
そして柴壱さん、さぞお力落としのことと思います。お身体ご自愛くださいますように。
by チヨロギ (2006-11-01 22:14) 

お友達の旅立ち・・・辛かったでしょう？
柴弐さんに心からご冥福申し上げます。
by きす (2006-11-01 23:13) 

柴弐さんとは縁の無かった私ですが、
記事の文面から、とても素晴らしい方だったのが感じられます。

おそらく柴弐さんの数日前、私の祖父の妹の方も亡くなりました。
数年前、やはりこの時期に祖父も亡くなりました。祖父母の知り合いも亡くなりました。
中学のときの学年の先生も亡くなりました。
天候や気温の変化が激しいからなのでしょうか、私の周りではこの時期から冬にかけて
亡くなる方が多く、私にとっては少し寂しい、命の大切さを感じる季節です。
何度この季節が来ても、胸に空いた穴は塞がりません。
でも皆は居なくなった訳じゃなくて、きっと側に居てくれているのだと思っています。

柴弐さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。
by アロマ (2006-11-02 18:28) 

ショックです・・・・・
記事、じっくりと読ませてもらいました。
柴壱さんも力を落とされないよう・・・
目をつぶれば、いつでも会えるところにいるんですから。
謹んで、柴弐さまのご冥福をお祈りします。
by すもも母 (2006-11-02 22:37) 

あまりのことに、なかなか言葉が出てきません。
きっとお元気になると信じていただけに、ショックです。
柴壱さんの書かれた記事から、柴弐さんのお人柄が感じ取れました。
情の細やかな、素敵な女性でいらしたのですね。
月並みな言葉しか出てこないのが大変心苦しいのですが、
柴弐さんのご冥福を、心よりお祈りいたします。
また、柴壱さんもあまりお力落としのないように・・・
by 実里 (2006-11-02 23:59) 

まず、驚きました。この記事の冒頭を読んだだけで、手も目も動けなくなりました。
度々ご登場していた柴弐さん。もちろん、お会いしたことはないけど、柴壱さんの記事を読んでいるうちに、自分の知り合いのように思えていました。
闘病中というのは、記事で拝見していましたが、まさか・・・・・。

辛かったでしょうに、穏やかな顔をされてたそうでそれだけでも何よりだったのではないかと。

私からも、謹んでご冥福をお祈りさせて下さいませ。
by 椎名 (2006-11-03 01:56) 

柴壱さんと柴弐さんのお話、ゆっくり読ませていただきました。
私は柴弐さんのことを存じ上げなかったのですが、とてもすてきな方だったというのが伝わってきました。
心よりご冥福をお祈りいたします。
柴壱さん、また虹の橋のたもとでお会いできますよ。
by スザンナ (2006-11-03 23:50) 

柴弐さんのおはなし、最後まで読ませていただきました。
素敵な方だったのですね、とても残念です。
カレンダー間に合わなかったのですね。
心より柴弐さんのご冥福をお祈りします。
by ユキサクラカエデ (2006-11-04 18:49) 

♪皆様へ♪
あたたかいコメントやnice!、どうもありがとうございました。
最近、年のせいで涙もろくなったブルテ96号が、皆様からの温かいメッセージを読んで
涙をポロポロと流しておりました。
いつものように、一つ一つにノーテンキなコメントレスを書けなくて、ゴメンナサイ。
皆さんも若くして、大切なお身内や、親しい友人をお見送りしたりして
それでも、ちゃんと乗り越えていらっしゃるんですね。
励ましの言葉の一つ一つ、ホントに感謝いたします。

送っていただいたワンコ写真で作るカレンダー、間に合いませんでした。
実は、年を越せないかもしれないと告知されている人が、新年のカレンダーを貰うって
どんな気持ちなんだろう…と考え始めて、私の方が、少し消極的になってしまったのも
事実です。もちろん、たとえ1ヶ月でも1週間でも、使って欲しいという気持ちでしたけど。
せっかくのお気持ちを、形にできず、申し訳ありませんでした。
でも、皆さん方のお気持ちは、棺の中の柴弐さんに、しっかりとお伝えしましたからね。

次の記事に書きましたけど、予定通りカレンダーは作ります。
仏前にお供えできれば、と思っております。
by 柴壱 (2006-11-05 11:40) 

柴弐さんを直接知ってるわけでもないのに旅立たれたことをお聞きして、とても気持ちざわざわしています。なんと表現してよいのかわからない気持ちです。
柴壱さん、とっても素敵な方にめぐり逢われましたね。こういうめぐり逢いはほんとに宝物だと思います。柴壱さんの気持ちが普通モードになるには、しばし時間がかかるかと思いますが、元気を取り戻してくださいね。
by (2006-11-06 16:23) 

私の所にも数度コメントをいただいた方でしょうか？ご冥福をお祈り致します。親友を失い気持ちが塞いでいるでしょうが、早く立ち直られますように。
by Yasuka (2006-11-06 23:32) 

仙台から帰って来た次の日の今日、この悲しい知らせを知りました。
読んでいて、目に涙が溢れて来て、一行一行に込められた柴壱さんの思いが伝わって来ました。きっといつまでも、柴弐さんは柴壱さん初め、皆さんの心の中で生き続けることでしょう。
ネットでの繋がりも、離れているのに親密に気持ちを通わせる事が出来ると、私も思っています。そして、実際にお会いして、かけがえの無い友人となり、お互いに良い方向を目指して行ける・・・と。
こころから、柴弐さんのご冥福をお祈りさせていただきます。m(__)m
仙台フォーラム、素敵なところでした。また遊びに行きたいと思います。
by (2006-11-09 14:03) 

え・・・そんなことがあったんですか･･･
すみません。ぜんぜん分からなかった、柴壱さんが辛かったなんて･･･
でも、素敵です！柴壱さん、柴弐さんを思う心がとっても！
柴弐さんにはご冥福を祈り、柴壱さんには柴弐さんにずっとずっと話しかけてあげてほしいです。きっと、喜ばれると思います。
私も母には何かにつけて話しかけています。
それが一番の供養だと信じて。
by umeji (2006-11-17 06:47)