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『円生と志ん生』@山形県川西町 [観道楽の感動・楽]

前週の『ロマンス』に続き、先週末(8/18~19)『円生と志ん生』を観に、山形まで出かけてきました。
                            (こまつ座  井上ひさし・作  鵜山仁・演出)

    

この公演の情報を知った時(今年のはじめ頃?)から行きたいと思っていたのですが、
いつものように「まだまだ先の話~」と思っているうちに、目前に迫っておりました。
お盆休みの週末なので、新幹線の切符がムリかも…と諦めていた矢先に
先週の火曜日、腹黒い?友人(笑)から電話。
「新幹線なんか逆方向だから大丈夫。チケット送るから」
と半ば「送りつけ商法」的に2ステージ分のチケットが送られてきたのでした。
(実際に、新幹線は行きも帰りも混んでましたよ! 一応指定は取れましたけど)

  

川西町フレンドリープラザの正面には、このような田園風景が広がり

  

裏手もまだまだ広大な空き地が。
右手中ほどに小さく見えるのが、JR米坂線・羽前小松駅の駅舎です。
  

  川西町フレンドリープラザ

  


普段、都会で芝居やコンサートを見るのが当たり前の方々にはビックリかもしれませんが
こんなのどかな場所にあるホール(+図書館)でも、開演時間が近づけば、
続々と人が集まってきます。

  

川西町でのこまつ座公演は、プレイガイドなどにほとんど頼ることなく、
実行委員たちが手売りでチケットを裁き、当日の運営も実行委員たちによって行われるのです。
柴壱も、今回はチラシ配りのお手伝いだけですが、参加させてもらいました。

  

~かんたんにあらすじ~
東京の空襲が激しくなり、落語の演目の制限も厳しくなった1945年の5月、
五代目志ん生こと孝蔵(角野卓造)と六代目円生こと松尾(辻萬長)は、
夢のような生活を抱いて慰問団として満州に渡る。
が、8月15日に終戦を迎えると、大連は封鎖され、日本へ帰る道は閉ざされてしまう。
酒と博打が大好きな志ん生と、マジメを絵に描いたような円生の対照的な二人が
次々出会う女性たちに助けられ、関わりあいながら、日本に帰れる日を夢見て
命からがら生き延びていく地獄のような600日間のお話。

こまつ座の看板俳優の辻さんと、今日本で一番忙しい俳優の角野さんが演じる二人の噺家さん。
そして、取り巻く4人の女優さんたちは場面ごとに娼婦になったり、幽霊になったり、修道女になったり
と、役を替えながら話が進んでいきます。
2年半前の初演では、元宝塚トップスターの久世星佳さん、三谷作品でお馴染みの宮地雅子さんら、
個性的な女優さんたちが脇を固めていたのですが、今回は4人のうちの3人が変わり、やや地味め。
どうかな…と不安のような思いもあったのですが、どうして、どうして。
さすがに、舞台を中心に活躍している女優さんばかり。
しかも、すでに完成している台本でみっちりお稽古を積んで舞台に上がっているんだなぁという
安心感さえありました。(初演の時は、やはり台本の完成が初日ギリギリだったはず…)

物語は、いつものように歌に乗せて進んでいきますが、
どの歌も調子が良く、言葉も心に響いてくるものばかり。
従軍慰安婦問題や、中国残留孤児といった、目を背けてはいけない問題も投げかけています。
後半、修道院で行き倒れた志ん生を、修道女たちが救い主様(=イエス様)と勘違いする場面では
客席中が笑いの渦に巻き込まれます。
その中で「笑い」というものが生きる上でとても大切なものであることを教えられるのです。
次々降りかかる災難や悲しみも、ステキな災難、ステキな悲しさに変えてくれるのが
「笑い」である、と。

井上さんの故郷川西町で地方巡演の初日を開けたり、千秋楽を迎えたりすることが多いのですが、
その場に立ち会うことの面白さ、というか素晴らしさを回を重ねるごとに感じております。
今回も、送り付け商法などと言っておりましたが、やはり、観に行ってよかったです。
2年半前の初演ではここ川西町が千秋楽でしたが、根雪の残る中、柴壱も遠征しましたよ。

このあと、各地のまわって、晩秋には東京で約2週間の公演があります。
ぜひ、今度は東京で迎える千秋楽に立ち会いたい、と今から楽しみなのです。

タイトルは『円生と志ん生』ですが、残念ながら劇中で角野さんと辻さんの落語が聴けるわけでは
ありません。(初演の時、勘違いしてガッカリされたお客さんも多かった、とか)
でも、落語のエッセンスはたっぷり効いているので、落語を知っていたら、さらに楽しめそう。
柴壱は、残念ながらあまり詳しくないので、東京公演までに、少し本でも読めたら、と思うのでした。

『円生と志ん生』、面白そうだな、観てみたいな、という方、ご都合が付くようでしたら
12/2(日)、新宿の紀伊國屋サザンシアターでお会いできれば、うれしゅうございます。(^^)

そうそう、公演プログラム「the座」を読んでいたら、
柏崎でも公演の予定があったのに、中越沖のために中止になったとのこと。
「こんなときこそ、この芝居の力をみなさんにお届けしたかったのに残念でなりません」
とありました。
まさに、この芝居こそ、困難な生活を強いられている方たちを、元気づけてくれたはず。

改めて、被災地のみなさんには、お見舞い申し上げます。


 #####


ところで…
公演プログラムの末頁には早くも来年のラインナップが載っていました。

  

年明け早々には、太宰治の評伝劇『人間合格』。これは、『ロマンス』で仮チラシ配られてました。
で、うちの任天犬ダルメシアンのおさむはここから名前をいただいたわけです。
そして、来年の今頃は『闇に咲く花』。
なんと、チヨロギさ~ん、新撰組の源さんがキャスティングされてますよ―――――!!
さらに、なんと、なんと、年末には『太鼓たたいて笛ふいて』。
3年前に、川西町で千秋楽の大感動に浸った時、二度と再演は見られないかも…
と、諦めながら後片付けを手伝っていたのですが、こんなに早く、また会えるとは。
とは言っても、来年の12月の話。
今から来年の暮れの話してどうすんだ! って気もしますけど、
それまで、健康でいなければ、ね。





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チヨロギ

はいはーい! 聞こえましたよ~♪(笑)
耳寄り情報をありがとうございます。
『人間合格』の仮チラシ、私ももらいました。岡本健一くんなんですね。
彼の舞台は見たことがないのですが、どんな感じなんでしょう?
『太鼓たたいて』には同じく『組!』出演の阿南さんのお名前が。
どの作品もおもしろそうですね~! 来年が楽しみです^^
by チヨロギ (2007-08-24 02:13) 

柴壱

♪あお様♪
nice! ありがとうございます~☆
by 柴壱 (2007-08-24 18:49) 

柴壱

♪ぐす様♪
nice! ありがとうございます~☆
by 柴壱 (2007-08-24 18:53) 

柴壱

♪チヨロギさま♪
nice! ありがとうございます~☆
阿南さんも『組!』の一員でしたね。そういえば、前回の再演が『組!』の年でした。
『太鼓』では初演からのメンバーですが、三演めも同じキャスティングなので
余計に嬉しくなってしまいました。
岡本健一は、まだジャニーズですよね? ついにこまつ座にも現役ジャニーズが!笑
岡本君って、神経質そうなイメージが太宰に合ってそうな感じですが
『人間合格』の太宰は、ちょっと違う太宰なので、これまた興味深いですよ。
by 柴壱 (2007-08-24 19:08) 

柴犬陸

川西町までの遠征、お疲れ様でした。
それも、同じ演目で2ステージとは。。
柴壱さんのレビューを読んで、「円生と志ん生」に俄然興味が湧きました。
ところで、来年のラインナップの全てが、サザンシアターでの上演なんですね。
う~ん、ちょっと苦手な劇場です。
by 柴犬陸 (2007-08-25 01:28) 

え? 山形にいらっしゃったんですか~! 例の川西町ですね☆
山形は東北でも、夏は暑いところですが、大丈夫でしたか~?
柴壱さんのレポートを読んでいたら、俄然見てみたい気持ちに♪
来年上演ラインナップ、楽しそうな演題がずらーりで、興味が。(^^)
来年は演劇もちゃんと鑑賞したいものです。アンテナ立てておきます(笑)
by (2007-08-25 02:49) 

きす

おもしろそうなお芝居だね~。
って、陸ママといい柴壱さんといい
スゴイたくさんお芝居見に行ってません?
いいな~
神戸にも何か面白そうなのがあったら
行ってみようかな??
by きす (2007-08-25 13:35) 

柴壱

♪柴犬陸さま♪
nice! ありがとうございます~☆
「円生と志ん生」は比較的短い芝居なので、2日連続でも、耐えられました(笑)
初日と2日目の間に演出の「ダメ出し」があったようで、2ステ見た人たちは
2日目の方が歌の声がよく出ていた、とか、○○の場面で「間」がよくなっていた
な~んて、変化を楽しんだりもしていたようです。

そう言えば、こまつ座以外のお芝居でも、紀伊國屋ホールはちょっとご無沙汰です。
私は、どちらかといえば「サザン派」ですけど。
by 柴壱 (2007-08-27 18:18) 

柴壱

♪saraさま♪
nice! ありがとうございます~☆
山形は空気がサラッとしているので、東京よりは過ごしやすかったですよ。

「円生と志ん生」は、川西のあと石巻へ行きました。
11月の初めには仙台公演もあるんですが、どちらも生協の鑑賞会向けだそうです。
東京は11月後半からですので、東京出張のついでなどあれば、いかがですか?
by 柴壱 (2007-08-27 18:49) 

柴壱

♪きす様♪
nice! ありがとうございます~☆
関東圏にいると、ついついいろんな情報が入ってくるので、面白そうなのがあると
見に行ってしまいます。
神戸だと、お芝居の公演って、新神戸オリエンタルあたりでやるんでしょうか。
by 柴壱 (2007-08-27 19:19) 

ふぎゃっ(笑)、い、石巻に来たの〜?! そういえば、そんなタイトル聞いた気が・・・。
ポスターをチラリと見たような、微かな記憶が頭をよぎりました。(^_^;
あらら、しっかりチェックしておけば良かったです〜。反省。。(笑)
情報が入って来にくいのではありますが、アンテナ張らな過ぎかも、ですね。
by (2007-08-28 02:39) 

柴壱

♪saraさま♪
そうなんですよ~石巻!
でも、石巻も仙台も、生協の文化鑑賞会会員向けの公演だそうで
一般発売はないらしいんですよ。
それで、か、仙台の人たちも大勢で川西町まで観に来ていましたよ。
by 柴壱 (2007-08-28 17:24) 

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