SSブログ

芝居・ぬ?のひとり言 [観道楽の感動・楽]

今月は、演劇鑑賞会の例会(観劇)をサボってしまった柴壱です。
演目は文学座の『アラビアンナイト』。
先週水曜日(9/19)に、ピアノのレッスンの後で行くつもりでヨルの回の席を確保してあったんですが
連休明けの週、ってことで前日からテンション上がらず‥‥
それでも、気が向いたら行くつもりで会員手帳(チケットに代わる物)だけは持って家を出たものの
メガネを忘れて、結局「や~めた!」にしてしまったのでした。
(柴壱は近眼のため、芝居見物にメガネは必需品なのです)

以下、芝居にまつわる取りとめもないひとり言ですので、お時間と興味のある方だけどうぞ。

演鑑の例会をサボった翌日(9/20)の読売新聞朝刊に、
先日解散を発表した演劇集団「地人会」に関する記事が載っていました。

  
      (読売新聞 07.09.20付 朝刊)

「背景には、観客の好みの変化や地方の演劇鑑賞団体の会員減がある。
 厳しい環境にさらされている「新劇」は、見直しが迫られている」と。

地人会と言えば、25年余りの歴史を持つ演劇集団で、設立当初から名前だけは知っていましたが
柴壱がとしては、ここ5~6年の間に井上ひさしさんの『化粧』と『藪原検校』を2度見たくらいです。
なので、それほど馴染みがあるというわけでもないのですが‥‥

船橋の演鑑でも、柴壱が入会する直前の例会が「地人会」だったようですが、
それ以降約4年半、「地人会」の公演はやっていません。

記事によれば、文学座、民藝、青年座など多くの劇団経営者が「明日は我が身」と感じている、と。
俳優座の代表も「地方の演劇鑑賞団体での公演があってこそ芝居が成り立っていた。ショックだ」
と動揺を隠せない、とのこと。

考えてみれば、今回柴壱がパスしてしまった『アラビアンナイト』も、文学座の公演とはいえ、
有名どころの役者さん(たとえば、角野さんとか江守さんとか、風林火山の内野さんとか…)が
出演されるわけではなく、自分から東京公演の切符を買って見に行くことは、おそらくないでしょう。
やはり、公演ごと(座席単位ではなく)買う地方の鑑賞会が、収入源になっているはずです。

演劇鑑賞会での観劇、というか活動には、良い点悪い点、裏腹さまざまで
自分の中でギモンを感じてしまうことがしばしばなのですが、
鑑賞会が演劇界を支えるひとつの力になっていることは間違いないようです。
会員は、そのことにもっとプライド持っていいんだよね、
と思うのでした。

演劇鑑賞会の会員は、全国演劇鑑賞団体連絡会議によれば、
今年9月現在約21万人だそうです。(読売の記事より)


  # # # # #


もうひとつ、その2日前(9/18)の夕刊には、先月なくなられた劇団民藝の女優・南風洋子さんの
追悼記事が載っていました。

  
      (読売新聞 07.09.18付 夕刊)

記事によれば、今年4月下旬から体の不調を訴え、民藝の舞台の稽古が始まる中
5月下旬に受診した時には、すでに膵臓ガンの末期だったとか。
それでも、6月からの東京公演では楽屋にベッドを置いて点滴をしながら舞台に立っていたとか。
そして、その後西日本5ヶ所を回る旅公演もこなした、と。
さらには、9月からの旅公演にも意欲を示していたとのこと。
まさに、女優としての生涯を全うされたようです。

船橋の演鑑でも、南風さんの舞台は何回か拝見する機会がありました。
そう、去年5月、『明石原人』の時、カーテンコールで花束をお渡しし、握手していただいたのが
南風さんだったことを思い出しました。

カーテンコール時の花束贈呈は、演鑑では恒例のセレモニー。
舞台の余韻を打ち消すようで、「いかがなものか?」といつも思うのですが、
こんな気丈でステキな女優さんと触れ合えるのも「演鑑ならでは」かな?
などとも思ったのでした。


  # # # # #


明日は、3度目の『ロマンス』を、仙台の友人ジップ・ママさんと見に行きます。

件の「地人会」の記事にも、
 『ロマンス』のロングラン公演は「東京公演だけで成立する興行」の試み
とあります。
確かに、大竹さん、松さん、段田さん‥‥といった人気のキャストさんを配して
何ヶ月も東京を離れての地方巡演というのは不可能ですわな。

それで、ジップ・ママさんも遥々仙台から遠征してくるわけです。
柴壱が判っているだけでも、今年に入って3回くらいは観劇上京してきています。
仙台にも演劇鑑賞会があって、その組織はかなり大規模なものですが
逆に、鑑賞会に入っていなければ、100万都市仙台でさえ芝居を見るチャンスが極めて少ない
という現実もあるのです。
演劇界は、地方の鑑賞団体によって支えられている、という一方で
文化の地域格差は否めないものだなぁ、とつくづく思うわけです。

因みに、わが町も、鑑賞会があるせいか、適当なホールがないからか、わかりませんが
一般の人が見られる演劇の公演は皆無、といった感じです。
となりの市川では、積極的に演劇公演の招聘が行われている、というのに。
ま、東京に気軽に行ける地域ですから、それほど深刻でもないのですが。


  # # # # #


ところで、「地人会」の話に戻りますが‥‥
これまで、地人会の演目として行われてきた『化粧』と『藪原検校』ですが
(5月にコクーンで蜷川さんがやった『藪原』は例外)
「地人会」の解散が決まって、今後は、ぜひ「こまつ座」でやって欲しい、と願うわけです。
一人芝居の『化粧』は、大竹さんで見てみたいなぁ。
そして、藪原役には、克実さん(高橋)で!!
(『藪原』をご存じの方は「似合ってるのは頭だけじゃ~ん!」とツッコミ入れて下さい・笑)


nice!(4)  コメント(6)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

nice! 4

コメント 6

柴犬陸

「地人会」から公演の案内を毎回頂いていたので、今回の決定についても文書での連絡がありました。
正直なところ、ここ数年ほとんど観ていません。
キャストが地味なのもありますが、演出もイマイチという感じがぬぐえなくて。
「化粧」はチケットを買ったのに、急に予定が入ってとうとう観ることが出来ませんでした。
南風さんの芝居を観る機会もありませんでした。
地域格差の話ですが、新潟では「りゅうとぴあ(新潟市民芸術文化会館」で、蜷川氏・KERA氏・長塚氏などの公演が比較的観られます。
東京には比べるべくもありませんが。
by 柴犬陸 (2007-09-27 23:32) 

チヨロギ

同じく、文化の地域格差を痛感させられることが多いですね。
せっかく立派なホールをつくっても、コンテンツが乏しい状況はうちの市も同様です。
それなりのチケット代を払ってでもいい芝居が見たいと思う人の数が、どれだけいるのかというのも疑問ですし。
人気の役者と演出家を揃え、長い公演を連日満員にしてギャラをペイすることは、東京だからこそできることですよね。
ただ、おもしろい出し物を見るチャンスがなければ演劇ファンも育つはずがありません。
これではニワトリと卵ですね^^;
↑新潟のりゅーとぴあの活動は、地方の興行のひとつのあり方を示しているようで、興味深いです。
by チヨロギ (2007-09-28 02:09) 

そうなんですよ。東京に居た頃は、随分お芝居は鑑賞出来たのに、仙台では全然出来ません。^_^;
かなり大きなお芝居は、CMしていますが、他は情報無しです。
観たい人は東京でどうぞ、と言わんばかりでして。(泣き。
シネコンはばんばん出来てるから、皆さん映画オンリーになりつつあります。
採算が取れないと何事も成立しないという世の中、仕方無いのかしらね。
by (2007-09-29 22:34) 

柴壱

♪柴犬陸さま♪
nice! ありがとうございます~☆
「地人会」は、有料の友の会組織があって、チケットの優先割引予約や
キャストさんとの交流会もあったようですが、たしかに地味な印象でしたね。
新潟の「りゅーとぴあ」は、3年前に『太鼓たたいて~』もやりました、そう言えば。
サイトを見たら、文化振興財団が芝居やコンサートを積極的に呼んでいるようですね。
せめて、地方の主要都市なら、そうでなくっちゃ、ね。

そうそう、新潟って「柳の都」なんですね。一つ物知りになりました(^^)
by 柴壱 (2007-09-30 14:27) 

柴壱

♪チヨロギさま♪
nice! ありがとうございます~☆
首都圏は、東京で比較的気軽に「文化」に触れられる分、厳しいですよね。
それでも、数は少ないですが、隣の市川では芝居、習志野にはコンサートが
来ているようです。船橋はダメですよ~。
なかなか、東京に出られないお年寄りや中高生のために、
地元で鑑賞できるチャンスが増えるといいのですけどね。
by 柴壱 (2007-09-30 14:40) 

柴壱

♪saraさま♪
nice! ありがとうございます~☆
確かに、地方の700人程度の演劇向けホールで1ステージやるくらいでは
旅費等々も含めてペイしないのですよね。
で、集客力のありそうな公演だけ、地元の新聞社や放送局が主催になって
大宣伝を打って、1000人を超える大ホールでやる、という構造ですよね。
仙台圏だと、市内より仙南の「えずこホール」で、わりといい催しを
やっているみたいですよ~。
by 柴壱 (2007-09-30 15:17) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。