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山形の旅・05冬 観劇の巻  [観道楽の感動・楽]

話は前後するけれど、
今回も山形の旅の一番の目的は、
川西町フレンドリープラザでのこまつ座『小林一茶』千秋楽の観劇。

川西町は、こまつ座の代表で、座付き作者でもある井上ひさしさんの生まれ故郷。
こまつ座の名は、川西町の旧町名小松町に由来している、とのこと。

そんなことから、川西町でのこまつ座の公演は、いわば恒例となっているのだ。

川西町での公演は「山形こまつ座」なる、こまつ座の山形応援団のような実行委員会組織によって
行われ、チケットもほとんどが、実行委員によって手売りされているのだ。

私が川西町にこまつ座の芝居を観にいくようになって、かれこれ、6~7年になる。
その間に、東京から観にいく仲間もでき、現地の「山形こまつ座」のメンバーとの交流もできていった。


さて、『小林一茶』は、
  残暑厳しい9月初旬の東京、
  晩秋の船橋、
  雪景色の川西町
の都合3回観ることができた。
同じ芝居を3回も観るなんて・・・・と思われるかもしれないが、芝居は生もの
同じストーリーを観ているのに、舞台上の役者と客席との一体感によって、
毎回違う発見があるのが芝居の面白さ・・・・ということが、最近少しずつ
わかりかけてきたところ。

公演する土地柄によっても違うし、劇場の大きさによっても違う。
客席の反応によっても、変わってくるという。

今にして思えば、初日があけて間もない東京公演では、ずい分と芝居が堅かったような・・・・

この芝居の、一番の笑わせどころの渡し舟の場面
(無事に千秋楽を終えたので堂々とネタバレ↓)
  木舟を横から見たような形の板の後ろに、一茶を含む乗客が数人。
  両端の二人の乗客が、交互に腰を浮かせたり落としたりしながら、舟を上下させる。
  それに合わせて、他の乗客たちも体を左右に揺らす。
  二人の黒子が左右に分かれて、舟の前で、水色の布を揺らして波を作る。
  乗客たちは「♪江戸はえ~ど」と歌いながら、左右に大きく揺れる。
  船頭役は、棹を巧みに操り、あたかも本当に舟が大揺れに揺れながら川を渡っているよう。
  あまりの気迫に、観ているこちらまで、一緒に揺れてきて、船酔いしそうなほど。
  舟が向こう岸に着く頃には、乗客全員船酔い状態で「♪江戸はえ~ど」が「♪江戸は反吐」になり・・・
  乗客全員、口から黄色いもの(布テープのようなもの)を吐き出して、水色の波が一瞬にして黄色に変わる。

この場面の船頭さん、特に千秋楽の棹捌きには、気合が入っているように見えた。
乗客たちも、一段と揺れていたような。
単に、千秋楽だったから、ではなく、いつもこまつ座を観ている川西町の観客たちのノリ
そうさせたに違いない、と思っている。

他にもステキな場面はたくさんあった。笑える場面、エロチックな場面・・・・も。
でも、長くなるので省略。


今回の『小林一茶』で、北村有起哉さんの舞台を初めて観た。
テレビドラマも、ほどんど記憶にないなぁ。
でも、北村和夫さんの息子さんだということは、何故か以前から知っていた。
一時期、辺見えみりちゃんとのロマンスで話題になっていたからかなぁ。
同心見習い役と15歳から47歳までの一茶を見事に演じ分けた、有起哉さんを
これからは、是非注目していきたい。
また、別の井上作品にも出演してくれたらいいなぁ。



帰りの新幹線で、有起哉さんを含む、キャストのご一行様と同じ車両に乗り合わせた。
ミーハーに、「握手してくださ~い!」とか「サインくださ~い!」なんて近寄ったりせず、
離れた場所から、「3ヶ月以上に渡る長い公演、本当にお疲れ様でした
心の中で、何度も呟いた。

《オマケ》

以前にも書いたけど、この川西町フレンドリープラザは映画『スウィングガールズ』のロケ地
プラザの一角に、こんなコーナーも。


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柴犬陸

北村有起哉さんは、何回か観ています。
2003年の『浮標(ぶい)』が最初だったかな。
その後『オイル』でも観たような?違ってたらゴメンなさい。
今年は、『LAST・SHOW』で。これは、とっても良かったです。
だんだんと名前が前の方に出てくるようになりましたね。
残念ながら『小林一茶』は観る機会がありませんでした。
その分、柴壱さんが観てくれたんですね。
by 柴犬陸 (2005-12-09 07:31) 

静流

柴壱さん、初めまして!
先日は、TB有難うございます、こちらにもTBさせて下さい!!
柴壱さんも川西公演ご観劇されていたんですね。
それに、東京・船橋公演までご観劇されていたとは凄い!
私は東京公演以来の観劇だったので、その舞台の成長
振りに驚かされました!

北村有起哉さん、本当に注目の俳優さんですよね。
『かもめ』のトレープレフ依頼、すっかりファンなんです。
その熱が過熱し、応援siteまで運営しております(笑)
無精者の私が考えられないことです☆

こんな奴ですが、これからも宜しくお願いします。
by 静流 (2005-12-09 17:37) 

Cocona

柴壱さん
すっごく豊かな生活ですね。うらやましいし、是非仲間に入れていただきたい気持ちでいっぱいです。観劇は好きなのですが、まめに探す訳でもなく、あ、と気づいたら終わっていたりチケットに縁遠くなっていたり。こうしてお話を聞くだけでも、次こそ必ず、と思ってしまいます。ほんとに次こそ、です。美味しい話と一緒にお芝居の話も楽しみにしていますね。
by Cocona (2005-12-09 21:54) 

柴壱

♪柴犬陸さま♪
いつも nice!&コメントありがとうございます。
『小林一茶』ご覧にならなかったですか・・・残念でした。
陸さんとは、同じような作品を観ているようで、なかなか合わないものですね。
いつか、また同じ作品を観て、ゆっくりご意見を伺いたいです。
今回の『一茶』では、15歳の一茶役の北村有起哉さんの声に、
いきなり、魅了されてしまいました。
by 柴壱 (2005-12-10 21:44) 

柴壱

♪静流さま♪
ようこそ、ご来訪くださいました。・・・・&トラックバックありがとうございました。
川西町は、米沢からまだローカル線に乗らなければならないので、
芝居を観に行く、にしてはちょっと不便ですよね。それに、あの大雪だったし。
実は、今回は行こうかどうしようか迷っていたのですが、やっぱり行ってよかったです。千秋楽に立ち会えて・・・・
静流さんのブログの、開場時の写真で、あの階段を上がった場所で、
チラシ配りの手伝いをしていたのが私でした。

ついでに・・・
カーテンコールの時に、真っ先に立ち上がったのも、実は私です(のつもり)。
有起哉さんは、絶対に私の方を見てくれていた・・・・と信じています。(笑)

応援サイト、時々覗きに伺います。
by 柴壱 (2005-12-10 22:09) 

柴壱

♪Coconaさま♪
お芝居は、難しいけど面白いですよ。
映画はカメラワークの迫力ですけど、芝居は「素」の迫力です。
ぜひ、一度トライしてみてください。
井上ひさし作品は、必ず笑えます。柴犬陸さんオススメの永井愛作品も、ハズレなしです。
三谷幸喜作品は・・・・面白いけどチケット取るのがとにかく大変そう。

あと、友達と行くなら、観終わった後に変な演劇論なんかを語らない人、と行くのが、楽しむコツ・・・・だと思っています。
by 柴壱 (2005-12-10 22:28) 

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